――Der Alptraum――

Oboeさんのあとがき

・・・暗い。
とても人様の誕生日に捧げる詩とは思えない。一箇所だけ「誕生日」はあるけれど。

第3部初めの「あの姫の未来のために、己の将来を賭けたか」というお師匠様の言葉が印象的で。
サモナ国でローラのことを想うあまり、会うことすら自らに禁じた「彼」の気持ちが何とも切なくて。
ポツポツ書いているうちに、いつのまにやら、こんな「シ」になってしまいました。

第3部の終わりが明るかったからこそ書けたようなものです。

ちなみに Der Alptraum は ドイツ語で「悪夢」。
ただの Traum(夢)でもいいと思いつつ、調べてみると
Alp→アルプス?→「山の夢」で「悪夢」?・・・と、何となく「天上の国」に近いイメージがあって、
つい、こっちにしてしまいました。おかげでより一層暗くなりました・・・。

結局「彼」の名前は一度も出しませんでした。さすがに気の毒で。(苦笑)




――Der Alptraum――

管理人の感想


私の誕生日祝いにOboeさんより頂いたお話です。ありがとうございました。

うぅ、泣けます。せつないです。特に、最初の『俺の心のようにじっとうずくまる』と言う文のあたりが綺麗で、最後二行のレジーの心境を考えたら泣けます。
もし本当に、『彼』の夢が終わってしまった後、どれだけ心をしびれさせたら平気になるんだろう。
どれだけの時間が流れたら、新しい夢を見られるんだろう。
そしてなによりも、『なに』が彼のその想いを昇華させられるんだろう。
読後三日後(なぜに三日後!)、そんな事を考えていました。最後の疑問の答えはローラ姫が『ローラ姫として』『人間として』『国王として』喜びも悲しみも苦しみもなにも歪められることなく経験していける現状にあることがポイントなのではないかと思ったんですが。祝福されて子供を産むとかね(そんなことを考えていたら、子供が産まれてそれを見に来たレジーと、「名前をつけて」と言うローラ姫のふわんとした会話シーンが浮かんだんですけど・・・妄想暴走中です。笑)。

今回このお話を掲載するにあたって、こんなカンジのレイアウトにしてみました。定型的な『トパーズの翼』の小説ページでの掲載は、あんまりにも勿体無かったからです。Oboeさんの素晴らしいお話の間に、イメージ・イラストもはさませて頂きました(ちなみに、二番目の『手』はレジーじゃないです。ヤローの手はもっとゴツイです。でも資料が自分の手なので、充分ごつくてイヤですが)。
『へっぽこ絵で雰囲気を壊すな』とおっしゃる方、掲示板にでも書き込みお願いします。『へっぽこ絵』なしのページも掲載しますので(苦笑)。